オープニングイベント 新しい社会を支えるテクノロジー ✕ デザイン REPORT Vol.1

“一人乗りの乗り物”としての電動車椅子「WHILL」、常識を覆す“愛されるためだけに生まれてきた”ロボット「LOVOT」。今、マーケットを賑わす2つのプロダクトは、テクノロジーとデザインが高度に融合した先進事例です。開発を担当したデザイナーをお招きし、コアコンピタンス(強み)やオープンイノベーションなどの視点から、ものづくりの最前線にある革新のヒントを探りました。


2019年11月6日(水)開催


この世にまだない“パーソナルモビリティ”をデザインすること

WHILLデザイナー 塚本皓之 Hiroyuki Tsukamoto



WHILLとは


 WHILLのミッションは、年齢、性別を問わず、また、コンディションに関わらずすべての人の移動を楽しくスマートにすることにあります。特に、歩道、室内領域のグローバルNo.1を目指して活動しています。

 会社として取り組んでいる事業は、パーソナルモビリティ事業とMaaSビジネスです。パーソナルモビリティ事業は新しいモビリティを開発、販売すること。現在発売されているものには、WHILL ModelA、ModelCの2タイプがあります。

 WHILLが掲げるMaaSビジョンは、1km圏内の室内移動のインフラになること。ユーザーがタクシーやバスで目的地に到着し、そこから建物までのラスト1マイルを担っていく、ということを掲げて、WHILLが開発されました。

 現在は、世界各国の4空港と連携し自動運転の実証実験を行っており、今後は病院、美術館、アミューズメントパーク、ショッピングモールへの展開を考えています。






技術とデザインでバリアを超える

 

 多くの車椅子ユーザーにとって、物理的なバリアに加え、車椅子ユーザーだということでネガティブに見られる、周りの視線が気になる、という精神的なバリアが外出を妨げています。WHILLでは、物理的なバリアは技術で対応し、精神的なバリアはデザインで解決することを目指しています。

 そもそも車椅子に見えないシルエット、自然に「走り出すぞ」という姿勢になれるアームのデザイン(GoGo-line)、手で覆うことで「どうやってコントロールしてるの?超能力?」と聞かれるような、クールなマウス型コントローラー。室内にあっても違和感のないフレンドリーな形状。周りからもポジティブに見えて自分もポジティブになれるデザインを意識しています。

 カラーバリエーションにもこだわっており、8色のうちから自分好みの色をセレクトできるようにしています。また、コントローラーはユーザーの利き手や状態に合わせて左右交換が可能で、別売オプションだが棒型のコントローラーに変更することも可能です。






大企業とWHILLの違い

 

 WHILLでは、開発の際にはまずユーザーの声をヒアリングしにいきます。現場で実感を得て、それを製品に反映するという、ユーザー目線でのものづくりが基本なのです。大企業と違い過去の実績やイロハはありませんが、少人数で承認段階もシンプル、まず試してみるというものづくりの姿勢が新しい発想につながっているのかもしれません。

 目標に掲げる「すべての人」はまだ道半ばですが、あらゆる身体条件、年齢、性別の方々がWHILLを評価し利用してくださっています。一般の健常者の人でも、誰もが乗る乗り物になれば、障害者に対するバイアスもなくなります。そういう世の中を実現できればと思っています。




Vol.2へつづく




塚本 皓之 / つかもと ひろゆき WHILL デザイナー


東京都生まれ。育英工業高等専門学校(現サレジオ高専)デザイン学科卒業。スズキ自動 車入社。インテリアデザイナーとしてハスラー、ラパン等を担当の後、コンセプトカーや先行デザイン開発に携わる。WHILL入社後はモビリティデザイン、コミュニケーションデザインなど、デザイン業務全般に関わる。直近では羽田空港で試験走行を行う「WHILL自動運転モデル」のデザインを手掛ける。




#オープニングイベント

問合せ先:富山県総合デザインセンター
TEL 0766-62-0510(平日 9:00〜17:00)
www.toyamadesign.jp
有限会社エピファニーワークス(事業受託者)
TEL 0766-54-6210

主催:富山県

※個人情報の取り扱いについて:申込者の個人情報は、富山県(以下、主催者)が適切に管理し、本事業の実施運営に関わる作業ならびに主催者からのその他イベント告知等のお知らせのみを目的として使用いたします。個人情報は、契約に基づく委託先を別として第三者には提供いたしません。