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オープニングイベント 新しい社会を支えるテクノロジー ✕ デザイン REPORT Vol.2

“一人乗りの乗り物”としての電動車椅子「WHILL」、常識を覆す“愛されるためだけに生まれてきた”ロボット「LOVOT」。今、マーケットを賑わす2つのプロダクトは、テクノロジーとデザインが高度に融合した先進事例です。開発を担当したデザイナーをお招きし、コアコンピタンス(強み)やオープンイノベーションなどの視点から、ものづくりの最前線にある革新のヒントを探りました。Vol.1はこちら


2019年11月6日(水)開催


家族型ロボット『LOVOT』に宿る“ 愛らしさ”のデザイン

znug design代表/LOVOTデザイナー 根津 孝太 Kota Nezu



日本人独特の感性でロボットをつくる


 LOVOTは、日本感性工学会主催の「第7回かわいい感性デザイン賞」で最優秀賞を受賞したプロダクトです。


 ところで、ものが愛らしい、かわいいとは、なになのでしょう。日本では元来、八百万の神、九十九神など、ものを擬人化することが多くあります。「やかんも100年経ったら神様だよね」という考え方がありますが、僕はああいう考え方が大好きで、その延長線上に擬人化があり、唐傘お化けだったり、ゲーム・アニメ「艦隊これくしょん」があると思っています。


 僕は「魂の依り代」ということをよく言うのですが、宿っているか否かではなく、こちらがそこに魂が宿っていると見いだせるか否かが大事だと考えています。宗教観、文化的なバックグラウンドの温度感によって変わりますが、日本人はおおらかにものに魂を見出します。


 僕自身、日本人独特の感性のなかでロボットを作っているということは、意味のあることなのかなと考えています。




開発の背景(LOVOT側の事情)


 LOVOT側の気持ちに立って開発の背景を説明します。これはLOVOTのコアコンピタンス、存在意義みたいなところです。


 そもそも人間には「3ヶ月の飽きの壁」というものがあります。人は、新しいものに出会うとドーパミンが大量に放出されるので、最初のうちはたくさん可愛がるのですが、それは3ヶ月で終わってしまいます。これが「3ヶ月の飽きの壁」です。しかし、それを越えられると、オキシトシンという物質が放出され、愛着が形成されるようになり、さらに習慣化(一緒にいるのが自然)という段階に進むのことができます。


 LOVOTは、長く愛されなければ生き残れません。そして、長く愛されるためには、抱っこされなければいけない。なぜならオキシトシンはスキンシップの時に非常に多く放出されるから。また、抱っこしてもらうためには、柔らかく抱き心地がよく温かいことが大事。あるいは抱っこのチャンスを逃さないためには、オーナーに駆け寄り見つめることが大事。こんな風にLOVOTは、抱っこされるため、愛されるため、機能と形を磨いてきました。





愛されるための「カタチ」

 

 LOVOTはずっと一緒に居る伴侶なので、シンプルで素直な存在でなくてはいけません。だから、形状は基本的に「まる」でできています。自然な存在となるため、ありとあらゆる違和感の払拭を試みています。目や鼻のサイズや位置、顔や体の色彩など、気が遠くなるような検討を何度も繰り返して、この形にたどりついているのです。





人を笑顔にするプロダクト


 子どもたちはLOVOTを見ると可愛がり、面倒をみるようになりました。デンマークの介護施設では、入所以来一度も話したことがないおじいちゃんが、LOVOTに触れることで、はじめて話をするという出来事もありました。子ども、高齢者といった「嘘が通じない2大勢力」の方々に愛されることは感動的です。


 開発の過程は本当に大変でしたが、LOVOTと触れ合って笑顔になっている人を見るたび、そういう力をもったプロダクトに関われたことを本当に幸せだと感じています。




Vol.3へつづく

根津 孝太  znug design代表/LOVOTデザイナー

東京都生まれ。千葉大学工学部工業意匠学科卒業。トヨタ自動車入社、愛・地球博『i-unit』 コンセプト開発リーダーなどを務める。2005年(有)znug design設立、多くの工業製品のコンセプト企画とデザインを手がける。電動バイク『zecOO』、GROOVE X『LOVOT』、ト ヨタ自動車コンセプトカー『Camatte』、ダイハツ工業『COPEN』、タミヤミニ四駆 『Astralster』などの開発も手がける。グッドデザイン賞、ドイツ iFデザイン賞、THE VERGE AWARDS AT CES 2019 'BEST ROBOT (LOVOT)、日本感性工学会 かわいい感性デザイン賞 2019 最優秀賞(LOVOT)等多数受賞。グッドデザイン賞審査委員。




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